ともだち①
妹が生まれた頃、引っ越している。
前の家では母のママ友の集まりによく行っていて
その頃は自覚はなかったけど、お友達がたくさんいた。
引っ越してから、公園に行ってもあまり誰かといた記憶がない。
母と公園に行って、知らない子を「おともだち」と呼んで
追っかけていた記憶。
相手は大体年上の子で、子供だけで数人で遊んでたような感じ
だったからたぶん小学生くらいの子。
そりゃ知らない年下の子に突然「おともだちー!」と話しかけられたら
逃げるだろうけど、なんでかわからなくて、よくその子たちが走っていった
背中に「おともだちー!」と叫んだ。
新しい家の近所は、父の知り合いの人がいて
しばらくしてその子供たちとよく遊ぶようになった。
あんまり同い年の子がいなくて、大体上か下の子がおともだちだった。
一番強い記憶は、妹があかちゃんの頃。
近所のおねえちゃんが妹をだっこしたがって、
母が抱かせようとしたら手を引いて、落とした。
母は大きな声を出して、妹は火が付いたように泣いた。
気づいたら車に乗って病院に行って、先生が妹の頭に
ホチキスを刺した。
怖くて、なぜかあたしも痛かった。
その近所のおねえちゃんとは遊ぶ機会が減った。